このタイトルを見て「え!?」と思われた方も、「やっぱりね」と思われた方もいらっしゃると思いますが(笑)、ここで告白させていただきます。
実は、管理人二人とも友雅×天真が好きなんです。
さて、何故今更こんな告白をしたかと言いますと、LaLa五月号のキャラクターブックを見て、100年後という設定に、どうしようもなく妄想をかきたてられてしまったからです。 遙か1の世界は、およそ紀元1000年くらいですから、その百年後と言えば院政期! 院政期ですよ! 院政期といえば、上皇が実権を握っていた時代。そして、院の近臣(あまり血筋は良くないが、院の側近として仕えていた人々)が、権勢を振るっていた時代なのです。この院の近臣というのはですね、院に気に入られた者がなる事が多いのですが、この場合の「お気に入り」というのは、寝室でのお気に入りという事と、半分くらいイコールなんです(これは史実です!)。つまり、何はなくとも、体さえあれば出世できた時代なんですねー。
というわけで、時代設定をふまえて妄想という、タチの悪い事をしてみたいと思います。
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皆様も、なんとなく想像はついているのではないかと思いますが、友雅は院(上皇)とします。で、天真は病気の妹のために、薬を手に入れようと日々働いている、妹思いの下級武士。
ひょんな事から、院の御所の天皇家のためだけの薬園に、妹の病気に効くという薬草があると知った天真。そこで、妹思いの彼は、薬を無断で分けてもらおうと(ようするに盗み)、院の御所に忍び込みます。
という設定で、いってみましょう。あ、名前はそのままで。
「これだ…!」
ある夜、院の薬園の片隅で、小さく呟く声がした。
「間違いない。これがあれば、蘭の病気が治せる」
呟いた声の主は、喜び勇んでその薬草に手を伸ばす。
その時、すっかり油断しきっていた天真の腕を何者かが掴んだ。
「…!?」
「おや、月に誘われて、こんな所まで来てみたら、面白いものを見つけたね」
天真の後ろから、泰然とした男の声が降ってくる。天真は驚いて、そのまま声のした方向を見上げた。
いつの間に来たのか、背の高い男が一人立っていた。
「警備の奴か!?」
天真は、反射的に男の手を振り払おうとする。だが、男の力は意外に強く、彼は逆にその勢いを利用して、天真を地面に組み伏せてしまった。そして、男は天真の顔を覗き込みながら言う。
「大人しくしなさい。…ふうん、やはりここの者ではないね。君、名前は?」
「離しやがれっ!」
「おやおや、教えてくれないのかい? それは困ったね」
言いながら、男は組み伏せたときにねじり上げた天真の腕に、更に力をこめていく。
「いてっ! ちくしょう、もう少しで薬草が手に入ったのに…。どうせ、役人につきだすつもりなんだろっ。さっさと、連れて行けばいいじゃねえか」
体を押さえつけられながらも、その貴族風の男に向かって、天真は毒づく。その反応に、男の口の端に、どこか人の悪い笑みが浮かんだ。
「なるほど。盗っ人だったのか」
「見て分かんなかったのかよ!?」
「しかし、珍しいね。ここに盗みに入る者がいるとは。この薬園のことは、あまり世間に知られていないはずだが、よく調べたものだね」
「馬鹿にしてんのかよ、てめえ!」
「いやいや、本気で感心しているんだよ。…そうだ、名前を聞いている途中だったね」
言いながら、男は天真の腕をねじり上げている手に、力をこめる。
「いてててっ! …くっ、人に名前を聞くときは、自分から名乗るもんだろうが!」
「おやおや、元気だねえ。自分の立場がわかっていないようだが、まあいいだろう。私は友雅という。君は…?」
まさか、本当に男が名乗るとは思っていなかった天真は、一瞬、毒気を抜かれたようにあっけに取られた表情になったが、数瞬の間の後、ものすごく嫌そうに答えた。
「……天真」
「ふうん、天真、か。では、天真。君は、この薬草を盗っていって、どうするつもりだったんだい?」
「…は? 役人に突き出すんじゃないのかよ」
「その前に、話を聞いてみようかと思ってね。これも何かの縁だろう」
そう言って、男はにっこり笑う。しかし、優雅な笑みとは裏腹に、天真を押さえつける男の腕は、微塵も揺るがない。
どうあがいても、逃げ出すのは無理だろうと悟った天真は、しぶしぶ口を開いた。
「…分かった、話すよ。話すから、少し腕を緩めてくれよ」
「いい子だね。素直な子は好きだよ」
男が腕の力を緩める。その瞬間を狙って、天真は男の腕を振り払って、起きあがろうとした。が、それよりも早く男の体が動き、さっきよりも強い力で天真の両手首を彼の頭の両脇で押さえつけ、覆い被さるようにして天真の体を固定してしまった。
「くそっ!」
「ふふ。私は、分かりやすい子も好きだよ、天真」
友雅はにっこりと笑って、再び尋ねた。
「さあ、どうして、この薬草を盗ろうと思ったんだい?」
「……妹が病気で…、それがあれば、治してやれるんだ」
悔しそうに顔を背け、友雅の視線を避けながら、天真はぼそりと答えた。
「妹のために、か。優しい兄を持って、その妹御は幸せだね」
「ふざけんなっ! さあ、話したぜ。とっとと役人に突き出せよ!」
「まあ、そう焦らないで」
のんびりと言って、友雅は面白そうに、天真をじっと見下ろした。
「…そうだ、君。ここで働いてみないか。ちょうど、人手が欲しいと思っていたんだ」
「はっ?」
思っても見なかった言葉に、天真の目が丸くなる。
「ここに薬園があると突き止めた、君のその情報収集能力。見張りに見つからずに、ここまで忍び込んだその運動神経。そして、今なお隙あらば逃げ出そうとしているそのしぶとさ。役人に突き出してしまうには、少しもったいないと思ったのでね」
「てめえ、馬鹿にしてんのか!?」
「とんでもない。…そうだな。君の態度次第では、この薬草を分けてあげてもいいよ」
「え? 分けてあげるって…、勝手にそんな事していいのかよ」
友雅がくすりと笑う。
「構わないさ。ここは、私の庭だからね」
「私の…? だって、ここは院の……、え!?」
天真が、友雅の正体に気付いて目をみはる。
友雅はにっこりと笑った。
「どうかな。悪い話ではないと思うのだけど」
だが、驚きが一段落すると、天真はきつい眼差しで友雅を睨み付けた。
「権力にものを言わせようってのかよ。これだから、お貴族様は嫌いなんだ」
「おや、そんな事を言っていいのかな?」
友雅が面白そうに言う。この期に及んで、なお反抗をやめない天真の態度に、友雅はますます興味を覚えていた。
「ここで役人に渡されれば、薬草は手に入らない。それに、院の御所に盗みに入ったとなれば、死にあたる重罪。兄がそんな事になってしまったら、君の妹御はどうすればよいのだろうね」
「くっ…」
天真が悔しそうに、奥歯を噛みしめる。
「さあ、どうする? 天真」
「断れないようにしておいて、どうするもこうするもねえだろ!」
「ひどい言い様だね。私は君が気に入ったから、盗みに入ったにも関わらず、働き口を世話し、薬草も分けてあげようと言っているのに」
さも心外だと言わんばかりの顔をして言う友雅を、天真はしばらく睨みつけていた。が、やがて観念したように言った。
「…分かった、働くよ。働けばいいんだろ」
その答えに、友雅は満足そうに頷いた後、立ち上がった。
「それは良かった。では、さっそく一仕事してもらおうか」
「あ? こんな夜中にかよ」
「夜中にする仕事もあると言うことだ。さ、こちらにおいで。念のために言っておくが、逃げようなどとは考えないようにね。そんな事をされたら、警備の者を呼んで君を役人に渡さなければならなくなってしまう」
明らかな脅迫に、天真の眉が寄る。
「ここまできて逃げねえよ。さあ、何の仕事をすればいいんだ」
「すぐに分かるよ。いいから、ついておいで」
言い置いて、友雅はさっさと歩き出した。仕方なく、天真もその後を追っていく。
友雅は、彼がついてきているのを確かめながら、邸の中に入っていった。何度も渡殿を渡り、奥の部屋へと進んでいく。天真は、最初、不機嫌そうにしていたが、初めて見る御所のきらびやかさに、次第に目を奪われていった。
「―――――ここだよ」
しばらくして、特に大きな部屋の前で友雅は告げ、中に入っていった。
その中の、更に奥の部屋に進み、天真を手招きする。
それに従って、天真が奥の部屋へ入ると、友雅はおもむろに彼を御帳台に引き入れ、そのまま押し倒した。
「…な、何すんだよ!」
天真が驚いて聞くと、友雅はしれっと答えた。
「最近、よく眠れなくてね。君に、眠る手伝いをしてもらおうと思って」
言葉とともに、明らかな意思を持った手が、天真の首筋に触れる。天真はぞっとしてその手を振り払った。
「じょっ、冗談じゃない! 仕事って、これのことかよ!」
「君には、近臣として私の側近くに仕えてもらう。これも、その仕事のうちの一つだよ」
「馬鹿やろうっ! お、俺はなあ、貧しい暮らしはしてても、体を売った事は一度もねえんだ!」
怒鳴りつけると、友雅の表情がふっと曇る。
「そうか、嫌なのか。君が仕えてくれると言うから、役人に渡すのはやめようと思ったのに。仕方ないな、警備の者に来てもらおうか」
「…お、おい」
「ああ、妹御が気の毒でならないよ。兄は死罪。本人は重い病気を抱え、これから頼る者もなく生きてゆかなければならないのだろう。しかも、兄が罪を犯したのが、自分のせいだと知ったら、絶望のあまり儚くなってしまうかもしれないね」
「……っ、汚ねえぞ、妹の事を持ち出すなんて」
悔しそうに、天真が小さく呟く。
「おや、私は心配しているだけだ。君がきちんと私に仕えてくれさえすれば、禄(給料)もそれなりに出すし、今までより、妹御に良い暮らしをさせてあげられると思うのだがね」
友雅がくすりと笑い、天真は息を呑んだ。
「……分かってくれたかい?」
友雅が腕を伸ばす。その手を天真は反射的に掴んだ。
「ん? この手はなんだい、天真? 分かったのではなかったのかな」
「………く…」
喉の奥で呟きながら、天真は友雅の腕を握る手にきつく力をこめた。だが、しばらくのち、その手の力がふと緩む。
口唇を噛みしめる天真を見て、友雅は小さく笑った。
―――――暗転。
続きは、あなたの心の中で♪
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と、まあ、こんな感じに腐った事を、二人して考えてた訳です(^^;;。「百年後」って、言葉一つで、どうしてここまで妄想できるんだか。
あ、ひとつ言っておきますが、今回調子に乗って、こんなモノを書きましたが、今後うちが友天サイトになることはないです。これまで通り、マイナーノーマルカップリング推奨(笑)でいきます。突発的にやりたくなったとしても、やばネタコーナーでやりますんで、ご安心ください(笑)。
いやあ、天真をいじめ倒したら、スッキリしました(笑)
ちなみに、天藤で友雅が出てきて天真にちょっかい出したりしてますが、アレは純然たる老婆心です(笑)
「好きな男が実はホモだった」だなんて、藤姫ちゃんを悩ませるなんて事は断じてしたくないので。
あ、でも逆はオッケーです(笑)
婚約者が実はレズだったとか(笑)
つまるところ、藤姫が幸せなら、他の男がどうなろうと知ったこっちゃないという事ですね(笑)
こわれてるわ、自分…(^^;
っていうか、これで締めかい…。