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これは、罪なのですか?
《 452年8月 第75代聖乙女エミリア 》
「・・・手に入れて良かったのだ。
そなたを聖乙女にする必要など、なかったのだ」
「そなたは罪を犯していたのだよ、エミリア
だからここで罪を重ねたとしても、
そなたが罪人であることには変わらんだろう」
「そう、聖乙女なのよ。もうその資格はないというのに」
――――――――何が、狂ったのだろう
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これは、罪なのだろうか?
《
801年6月 第117代聖乙女アシャンティ
》
「もう、ここへは来るな」
二度、そう言われた。
最初は、私が何も知らなかったがゆえに。
二度目は、私が全て知っているがゆえに。
彼の側にありたいと願う自分と、聖乙女としての責務を果たすべき自分。
どちらも大切で捨てられない。
それは、痛いほどに分かっているのだ。
何故、聖乙女は恋をしてはならないのか。
聖乙女とて、心を持つ人間であるというのに。
だが、その代償はあまりにも大きい。
私の能力の衰えのせいで、どれだけの騎士が傷つくのだろう。
これが罪だとしたら、なんて罪深いのだろう。
それでも、私は――――――――
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「聖乙女の資格」とは何なのか。
300年の時を越えて、二人の聖乙女が見たものとは何か。
閉ざされた歴史の扉が、開かれていく。
「聖女国史」、乞うご期待!!
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